ロシアのウクライナ軍事侵略が不動産市場に与える影響は?

オフィスのデスクより、

先週あたりから世界の注目を集めているロシアのウクライナ軍事侵略。
すでに戦は始まり、多くの一般の市民が犠牲になっています。
聞いていてとてもいたたまれない出来事です。
そんなロシアを取り巻く情勢の詳細については、他にもたくさんニュースが出ているので、そちらをお読みいただければと思うのですが、これらの一連の騒動が日本の不動産市場にどんな影響を与えるのか、考えてみたいと思います。

インフレは加速する

多くの方が実感していると思います。
ガソリンの高騰、食材の高騰、様々な輸入材が高騰をして私たちの生活を圧迫しています。
また今回のウクライナへの軍事侵攻によって、世界各国はロシアに対して様々な経済制裁を科します。

ロシアはヨーロッパ最大の資源国であり、穀物などの輸出量も多いです。
経済制裁によってロシアからの輸入品もその対象になりますので、全体の資源量や穀物の量が世界的に逼迫し、さらに物価が上昇するものと思われます。

現在日本の物価上昇率は2月時点で東京都は前月比プラス0.5%の上昇です。
しかもこれは携帯電話料金の押し下げによってマイナス1.12%なので、実質は2%近い物価上昇に見舞われています。

状況によっては金利上昇

インフレが進むと経済的に言えば金利が上昇します。
日本は金利が上がらないように長期金利の一定基準で買いオペレーションをすることを公表しましたが、効果があるのは一時的で、この行為は結果として悪い円安をさらに加速させ、さらに物価が上昇するという事態を招きます。

ですので、この物価上昇が収まらない限りは金利上昇の圧力は非常に強まっていくと思われます。
しかも通常の物価上昇時は賃金の上昇もセットになりますが、今回は物価のみが上昇して賃金は変わらない、という悪い経済状況(スタグフレーションと言います)に陥る可能性が出てきています。

金利上昇・不景気で不動産相場は下がるか?

今の情勢を見ながら一番気になるのはこの相場への影響だと思います。
一般的に金利上昇も不景気も不動産相場にとってみたらマイナスであり、下げる要因になります。
しかし今の不動産市場、特にマンション市場は空前の物件不足です。

理由としては、コロナによって転勤などの人の移動が減り、売り物件が減ったこと。
もう一つは、新築の高騰によって質が大きく下がり、また中古マンションの減少によって魅力的な住み替えさきが減ったことによるもの。
今のマンション市場は、需要が大きく供給を上回っている状況です。

不景気によって買う人が減って需要が落ち着くか、金利上昇によって変動金利でカツカツで回っていた家計が破綻して売り物件が市場に出てくるか。

また不動産の需要が落ちて金利が上昇すれば次元的に住宅ローン減税の拡大など政府の動きも出てくると予想されます。
結局のところ、これだけ色々書いてきたもののどうなるか予想ができないというのが正直なところです。

相場は結果論でしかない

相場の行方を知りたかった方にとってはがっかりする内容かもしれませんが、結局のところ相場は結果論でしかありません。
後になってからでないと結局どうなったかはわからないのです。

それでは今住宅購入を考えたときに何に気をつけたらいいのか?
私はそのポイントは2つだと考えております。

  1. 資産価値が下がりにくい物件を選ぶこと
  2. 有事の際のことも考えたライフプラニングを持つこと

相場は平均値であって個別でみたときに価値が残るものとそうでないものに大きく分かれます。
つまり仮に相場が下がったとしても、下落率がほとんどない物件〜大きく下落する物件が存在するということです。
立地や管理組合の運営状況など、将来的な住みやすさまで考慮した物件選びが重要になります。

またライフプランニングも今後収入が減ることも可能性としてはゼロではないですし、物価だけが上がって賃金が上がらなければ可処分所得が減るということなので、予算を考えるときのシミュレーションも辛めにやっておくと安心感が出ます。

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宮田明典

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